2018年01月20日

seiko presage sarx019の分解

seiko presage sarx019の分解




sarx019 正面.png




今回の実験材料はセイコープレザージュSARX019
ホーロー文字板で有名なモデルの一つだ。
ホーローは「琺瑯」と漢字で書くようだ。
私の周囲では、琺瑯自体をあまり身近に感じない。
シリーズ名のプレザージュだけど
これもあちこちでセイコープレサージュと誤記されており
いっそのこと読み方を変えてしまったほうがいいのではないか
とさえ思えてくる。
ムーブメントアルピニストと同じ安定の6R15




sarx019 拡大.png




あまり現行(と言ってもこのSARX019
すでにディスコンで後継機はSARX049)の
モデルを購入することはないのだけど
久しぶりに買ってみたくなった。
このモデルは文字板のバランスがすごくいいと思う。
他のモデルはごちゃごちゃしていたり、余白が多すぎたり。
光が当たらないと、黒っぽく見える針・インデックス。
刺股みたいな秒針のカウンターは好みがわかれるか?

プレザージュSARX019ガラスカーブサファイア
凸レンズタイプだが、気持ち盛り上がっている程度。
オールドセイコープラ風防のような雰囲気とは
全然違うから、同じノリだろうと実物見ないで買うと
イメージの違いに驚くだろう。




sarx019機械 - コピー.png




早速裏ブタを外してしまった。
テンワが非常に小さい。
6Rに姿勢差が大きいように思われるのはこれが一因か?
時計のサイズが大きいため、機械の外周には
金属スペーサーが機止めネジで押さえられている。
オメガのCAL.564とかと同じ方式だ。
7S系の改良版ということで
このオ6R15オシドリは全く同じ位置・形状。
ちなみに画像ではローターで隠れてしまっている。




sarx019 分解 - コピー.png





sarx019 琺瑯 - コピー.png





SARX019の売りである琺瑯文字板
バラしたのはこれを生で見たかったから。
セイコーの公式画像では全く良さが伝わらないが
独特の艶があって非常に美しい。
琺瑯文字板の素材として抜群に相性がいいようだ。
光の当たり具合によって、表情が全く違ってくる。
外周部を見るとわかるがステンレスのケースに
押さえつけられて若干削れている。
インデックスセイコーロゴはプリントだし
決して永遠に劣化しないわけではない。





sarx019 針.png





この青い針ってどんなもんか?
青い針はオモテが着色されているタイプ。
裏面は塗装なしだ。
画像では、なんか安っぽいと私は感じたが
実際購入して手元で見てみると案外良い青だった。
青焼き針に近づいているのではないか?
ちなみに、光が当たると水色に近い色になる。

SARX019の売りは、やはり琺瑯文字板
それもPRESAGEシリーズの中でも非常に
デザインバランスが良く美しいと思う。
それ以外は、ほかの6Rシリーズと大差ないかもしれないが
時計の顔である、文字板にデザインの重点がおかれており
琺瑯文字板目当てで買っても満足できるだろう。
ちなみに径40o×厚13oは結構なボリュームだ。




sarx019 正面2 - コピー.png




シンプルなローマンインデックスだけに
欲を言えば、文字板外周のメモリを
もう少しシンプルにしてほしかった。
だが十分かっこいい。
個人的には漆の黒の同様のローマンのほうが好みだが
場面を問わずに使用できるスタンダードなモデルは
このSARX019だろう。
非常に良い。サイズが合えば。
posted by たいぞう at 15:44 | Comment(4) | SEIKO(現行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月07日

手巻きの時計の巻き方

手巻きの時計の巻き方

手巻き時計ゼンマイの巻き上げについて
少し検討をしてみることにする。
ベースの機構が違うし、その中でも機械によって
構造が全然違うから、手巻き付きの自動巻きについては今回は論じない。


手巻きの時計については
ゼンマイりゅうず巻き上げて駆動させる。
古臭いアナログな機構だが、100年放置していても
100年後に巻いて動かすことができるだろう、と思う。
動かすだけの前提にはなってしまうが。

機械式時計ゼンマイは、香箱という部品に格納されている。
香箱には、角穴車という大きな歯車がセットされており
りゅうずからキチ車、丸穴車を経て角穴車を回して
香箱内のゼンマイを巻き上げる。
香箱自体にも歯車がついていて
ゼンマイがほどけていく力を他の歯車に伝える。
ゼンマイはいっぱいまで巻かれると
それ以上巻き上げられなくなる。
無理に巻こうとすればどこかしら破損するだろう。

そして、いっぱいまでゼンマイを巻いた状態が
最も他の機構に力を伝えることができる。
結果テンプの振りは最大となり外部からの力による
歩度への影響が最小、時計の精度が最もよくなる。
ゼンマイは力を出し続けてほどけていき
その力は、ほどけるにつれて弱くなる。
だから、時計の歩度は何もしなくても変化する。
もちろん単にゼンマイの巻き具合だけを考えて
気温や摩擦、オイルの状態や部品の摩耗など
他の条件は考慮していない。





ここで、よく言われる手巻き時計
巻き方についてみてみることにする。

1.毎日同じ時間に巻く
  これはゼンマイがほどけることによる
  歩度の変化を一定の幅に収めようとする目的だろう。
  そういった意味で精度の「安定」に効果があると思われる。
  くどいけど、一定の進み遅れの振れ幅を維持する目的。
  
2.巻き止まるまで巻く
  ゼンマイがいっぱいまで巻かれた時が
  パワーリザーブ精度も最大・最良の状態だ。
  セイコーでもゼンマイはほぼ最大まで巻き上げることを
  推奨しているようにとれる。
  
  〜 以下 セイコーHPより引用・抜粋 〜

  機種によって異なりますが、
  機械式時計のぜんまいを完全に巻き上げるには、
  りゅうずを40〜50回程度回します。
  (りゅうず 1 回転は 360°回転することを意味します。) 
  ぜんまいが完全に巻き上げられている状態だと、
  一般的に約40〜50時間動きます。
  (72時間動くものもあります)

  ぜんまいの巻き方
  止まっている時計をお使いになるときは、
  手巻き式であればりゅうずを40回以上回して十分にぜんまいを巻き上げ
  自動巻き+手巻き式であればりゅうずを20回ぐらい回してぜんまいを
  巻き上げてから腕に携帯してください。
  〜 引用終わり 〜

3.巻くときに少し巻き戻す
  機械によっては、コハゼによる巻いた際の
  逆回転防止機構に少し遊びがあって
  りゅうずが少し反動で巻き戻る場合がある。
  この反動で機械を傷めないようにする目的と思われる。
  反動がないセイコーの4S24のような機械には意味はない。

いずれも一応納得のいく理由があったわけだ。





しかし、疑問が残る。
常にいっぱいまで巻いておけば、毎日同じ時間に巻く意味はない。
(巻く習慣づけという意味はあるかもしれない)
精度においても常にゼンマイの力が最大の方がよい。
こまめに巻き上げ続けてあげれば、歩度は一定に保たれ
最大の力で最良の精度を維持できるはずだ。
自動巻きの時計が常に巻かれ続けることで
それを達成していることも私の疑問の元と符合する。

最大までゼンマイを巻くことでゼンマイが切れやすくなる
といった記述をどこかで見た気がしたが
自動巻きで最大まで巻かれ続けるのが当たり前のため
手巻きでもその点は考慮されてゼンマイが作られている。
実際、ゼンマイの素材は4S系で共通でしょ?
古いのは知らないよ。
だから、最大まで巻かれ続けても問題はないと判断する。

ここで自己流の手巻き時計の巻き方を提案。
「こまめに最大まで巻く」
以上。


posted by たいぞう at 01:16 | Comment(4) | その他時計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月10日

seiko SKX(7s26-0050)のガラス交換


このタイプは、ガラスパッキンをかまして圧入。
現在最もポピュラーなガラス周りの構造だ。
これから示すガラス交換の方法は
基本的にど素人の自己流のため、正しい方法かはわからない。
真似する際は自己責任ということを理解してもらいたい。
私は、なにがあっても知らないよ。


ちなみにほかのタイプのガラス交換はこちらを参照




ガラス交換の最初に
パッキンをかまして圧入にもいくつかバリエーションがあるため
今回は、セイコー7S26-0050を例に出す。
ちなみにこいつのケース構造はA0となる。
必要なものは
・挿入機とプラスチックのコマ
 ※ちなみにセイコー純正のコマはS-160だ
・セーム皮やラップ
・換えガラスやパッキン
・ばね棒外し、オープナー、こじ開けなど

※ちなみに7S26-0050のガラス
 直径28.0o・厚さ2.0oだ





ガラス交換のイメージは以下の通りだ。
構造はざっくりとこんな感じ

図解1.jpg

図解2.jpg

ガラスを外して取り付ける際はこんな感じ
図解4.jpg

図解3.jpg




セイコーの一部だが時計ケース内部にガラスを押し出す
専用のリングがついていて、リングごとガラスを押し出す
G構造なるケースも存在する。
自身で作業する場合は、やはりまず、構造の確認をされたい。
ちなみに、セイコーは時計のケースバックに構造が刻印してある。
具体的には裏蓋の□で囲まれたA0とかF2とかがそれだが
56系の時代以前にはそれっぽい表記が見当たらないように思う。


では、ガラス交換だ。
まずは、ガラス着脱の準備をしよう。

1.ブレスレットを外そう
弓カンから丸ごと外してもよい。





2.ベゼルを外す
特にこの手のダイバー系のデザインは
ガラスが水平に挿入されているか確認するためにも
ベゼルは外しておく必要がある。
作業中にベゼルが傷つく可能性もあるし。

こいつにはケースの1時と2時の間にクリックパーツがあるため
それ以外の部分にこじ開けを差し込もう。
画像は、ちょうど差し込んではいけない部分に
こじあけを入れている図で悪い例だ。

ガラス2 - コピー.png


ベゼル切り欠きがあって、こじ開けでケース外側から外すものと
 切り欠きがなく、内側から挿入機で押し出す構造がある。 
 切り欠きの有無で大抵見分けがつくと思う。
 基本的にケースに切り欠きがないものは
 無理にこじ開けを突っ込んではいけない。





3.外れた
手前のガラスが人工サファイア製のものだ。

ガラス交換3 - コピー.png





4.ケースのクリックパーツを外す
ばね棒外しで指しているぽっちがそれだ。
私はケースを逆さにして掌の上に軽く叩いて落とす。
なくさないように注意だ。

ガラス交換4 - コピー.png





ガラス交換5 - コピー.png





5.裏蓋を開ける
スクリューバックを「きれいに」開ける際は
しっかりケースを固定する必要がある。
画像は、やっつけで固定していない悪い例だ。

ガラス交換6 - コピー.png





6.裏蓋が開いた
次は、りゅうずを外してムーブメントを取り出す。





7.りゅうずを外す
本機は、ねじ込みりゅうずとなっている。
まずはねじ込みを開放する。りゅうずの赤マル部分。
まだ、りゅうずは引き出す必要はない。
ムーブメントの赤丸部分(おしどり)を軽く押しながら
りゅうずを外側にやさしく引き出す。
引き出せないようなら、おしどりをさらに少しずつ押していく。

ガラス交換8 - コピー.jpg





8.ケースからムーブメントを取り出す
りゅうずが抜けたら取り出せるので
引っ張るなり、掌にたたいて落とすなりで取り出す。
さあ、これでガラスの着脱にとりかかれるぞ。

ガラス交換12 - コピー.png





既存のガラスケースから取り外す。
作業は簡単。

1.ケースの内側からガラスを押し出す
ガラスを押し出すコマはケースの内側からケース等に
干渉しない範囲でガラス径に近いサイズのコマをあてがう。
ガラスに対して釣り合わない小さいコマを使用すると
力が集中してガラスが割れるかも。

ガラス交換10 - コピー.png





2.ケース外側を受けるコマを用意する
この時ガラス保護と割れた時の保険で
ビニールやラップをかましておくとよい。
G構造のセイコーのマニュアルではセーム皮をかませと
書いてあったと思う。
ついでに、挿入機の下には新聞紙などを敷いておくとよい。
万一ガラスが砕けた時に片付けが楽だ。
今回は端折っているが。





3.挿入機で押し出す
ゆっくりとガラスを押し出す
ガラスを割る可能性あり。
ケースの黒い部分がガラスパッキンだ。

ガラス交換11 - コピー.png





ガラス取り付けの作業。

1.ガラス・パッキン・ケース
この並びで挿入する。





2.ケースにパッキンをセット





3.ガラスを挿入
パッキンのついたケースにガラスを載せて
コマをあてがいケースにパッキンごとガラスを押し込む。

ガラス交換13 - コピー.png





ガラスが均等にケースに押し込まれたら成功だ。



4.ケースにムーブメントを戻す・りゅうずをセットする
デイデイトの3時位置がケースのりゅうずが通る溝に合うように
ムーブメントをケースに戻す。
この際に、セーム皮などでガラス内側を拭き
ブロワーでガラス文字板の埃を飛ばしておこう。
ちなみに、りゅうずは優しく押し入れてあげればよい。
挿入時にオシドリを触る必要はない。
カチッと手ごたえがあったら、りゅうずを引き出して
操作ができるか確かめよう。

ガラス交換14 - コピー.png




5.裏蓋を閉めて、ベゼルをはめる
ベゼルはプラコマで挿入するといい。
ベゼル外周のメタルパーツ部分(ベゼルインサートではない部分)
にコマの外周が当たるようにコマを選ぶ。

ガラス交換15 - コピー.png






ポイントは以下の通り
・なるべく純正のパッキンを使用すること
 純正と同じ素材・形状・大きさの物を用意できれば
 それでよいかもしれないが。
・ガラスのサイズを間違えないこと
 だたし、表面上のサイズは一緒でも、微妙な個体差で
 うまく入らなかったりする。
・ゆっくりとガラスを均等に押し込むこと
 パッキンに対して斜めに押し込んだりすると
 パッキンやガラスが破損する。
・ガラス挿入用のプラコマを利用すること
 金属製のコマだとガラスを割るかも。
・無理にガラスを押し込みすぎないこと
 パッキンやガラス破損につながるので注意。


何度か作業をしているけれど
ガラスパッキンの調達が面倒だと感じた。
サイズ選択がシビアだから結局元のを使いまわすか
メーカー純正のパッキンを使用するのが手っ取り早い。
素材にしても硬質のプラや柔らかいシリコンなど
モデルによって異なってくる。
形状もフラット、段付き、L字など様々だ。
メーカー純正が調達できればいいのだが。
あとはガラスが水平に入らないと大変だ。
パッキンが劣化しているとなりやすいのだろうか?

posted by たいぞう at 21:20 | Comment(2) | 修理など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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