このタイプは、ガラスにパッキンをかまして圧入。
現在最もポピュラーなガラス周りの構造だ。
これから示すガラス交換の方法は
基本的にど素人の自己流のため、正しい方法かはわからない。
真似する際は自己責任ということを理解してもらいたい。
私は、なにがあっても知らないよ。
ちなみにほかのタイプのガラス交換はこちらを参照
●ガラス交換の最初に
パッキンをかまして圧入にもいくつかバリエーションがあるため
今回は、セイコーの7S26-0050を例に出す。
ちなみにこいつのケース構造はA0となる。
必要なものは
・挿入機とプラスチックのコマ
※ちなみにセイコー純正のコマはS-160だ
・セーム皮やラップ
・換えガラスやパッキン
・ばね棒外し、オープナー、こじ開けなど
※ちなみに7S26-0050のガラスは
直径28.0o・厚さ2.0oだ
ガラス交換のイメージは以下の通りだ。
構造はざっくりとこんな感じ
ガラスを外して取り付ける際はこんな感じ
セイコーの一部だが時計ケース内部にガラスを押し出す
専用のリングがついていて、リングごとガラスを押し出す
G構造なるケースも存在する。
自身で作業する場合は、やはりまず、構造の確認をされたい。
ちなみに、セイコーは時計のケースバックに構造が刻印してある。
具体的には裏蓋の□で囲まれたA0とかF2とかがそれだが
56系の時代以前にはそれっぽい表記が見当たらないように思う。
では、ガラス交換だ。
まずは、ガラス着脱の準備をしよう。
1.ブレスレットを外そう
弓カンから丸ごと外してもよい。
2.ベゼルを外す
特にこの手のダイバー系のデザインは
ガラスが水平に挿入されているか確認するためにも
ベゼルは外しておく必要がある。
作業中にベゼルが傷つく可能性もあるし。
こいつにはケースの1時と2時の間にクリックパーツがあるため
それ以外の部分にこじ開けを差し込もう。
画像は、ちょうど差し込んではいけない部分に
こじあけを入れている図で悪い例だ。
※ベゼルも切り欠きがあって、こじ開けでケース外側から外すものと
切り欠きがなく、内側から挿入機で押し出す構造がある。
切り欠きの有無で大抵見分けがつくと思う。
基本的にケースに切り欠きがないものは
無理にこじ開けを突っ込んではいけない。
3.外れた
手前のガラスが人工サファイア製のものだ。
4.ケースのクリックパーツを外す
ばね棒外しで指しているぽっちがそれだ。
私はケースを逆さにして掌の上に軽く叩いて落とす。
なくさないように注意だ。
5.裏蓋を開ける
スクリューバックを「きれいに」開ける際は
しっかりケースを固定する必要がある。
画像は、やっつけで固定していない悪い例だ。
6.裏蓋が開いた
次は、りゅうずを外してムーブメントを取り出す。
7.りゅうずを外す
本機は、ねじ込みりゅうずとなっている。
まずはねじ込みを開放する。りゅうずの赤マル部分。
まだ、りゅうずは引き出す必要はない。
ムーブメントの赤丸部分(おしどり)を軽く押しながら
りゅうずを外側にやさしく引き出す。
引き出せないようなら、おしどりをさらに少しずつ押していく。
8.ケースからムーブメントを取り出す
りゅうずが抜けたら取り出せるので
引っ張るなり、掌にたたいて落とすなりで取り出す。
さあ、これでガラスの着脱にとりかかれるぞ。
既存のガラスをケースから取り外す。
作業は簡単。
1.ケースの内側からガラスを押し出す
ガラスを押し出すコマはケースの内側からケース等に
干渉しない範囲でガラス径に近いサイズのコマをあてがう。
ガラスに対して釣り合わない小さいコマを使用すると
力が集中してガラスが割れるかも。
2.ケース外側を受けるコマを用意する
この時ガラス保護と割れた時の保険で
ビニールやラップをかましておくとよい。
G構造のセイコーのマニュアルではセーム皮をかませと
書いてあったと思う。
ついでに、挿入機の下には新聞紙などを敷いておくとよい。
万一ガラスが砕けた時に片付けが楽だ。
今回は端折っているが。
3.挿入機で押し出す
ゆっくりとガラスを押し出す。
ガラスを割る可能性あり。
ケースの黒い部分がガラスパッキンだ。
ガラス取り付けの作業。
1.ガラス・パッキン・ケース
この並びで挿入する。
2.ケースにパッキンをセット
3.ガラスを挿入
パッキンのついたケースにガラスを載せて
コマをあてがいケースにパッキンごとガラスを押し込む。
ガラスが均等にケースに押し込まれたら成功だ。
4.ケースにムーブメントを戻す・りゅうずをセットする
デイデイトの3時位置がケースのりゅうずが通る溝に合うように
ムーブメントをケースに戻す。
この際に、セーム皮などでガラス内側を拭き
ブロワーでガラスと文字板の埃を飛ばしておこう。
ちなみに、りゅうずは優しく押し入れてあげればよい。
挿入時にオシドリを触る必要はない。
カチッと手ごたえがあったら、りゅうずを引き出して
操作ができるか確かめよう。
5.裏蓋を閉めて、ベゼルをはめる
ベゼルはプラコマで挿入するといい。
ベゼル外周のメタルパーツ部分(ベゼルインサートではない部分)
にコマの外周が当たるようにコマを選ぶ。
ポイントは以下の通り
・なるべく純正のパッキンを使用すること
純正と同じ素材・形状・大きさの物を用意できれば
それでよいかもしれないが。
・ガラスのサイズを間違えないこと
だたし、表面上のサイズは一緒でも、微妙な個体差で
うまく入らなかったりする。
・ゆっくりとガラスを均等に押し込むこと
パッキンに対して斜めに押し込んだりすると
パッキンやガラスが破損する。
・ガラス挿入用のプラコマを利用すること
金属製のコマだとガラスを割るかも。
・無理にガラスを押し込みすぎないこと
パッキンやガラス破損につながるので注意。
何度か作業をしているけれど
ガラスパッキンの調達が面倒だと感じた。
サイズ選択がシビアだから結局元のを使いまわすか
メーカー純正のパッキンを使用するのが手っ取り早い。
素材にしても硬質のプラや柔らかいシリコンなど
モデルによって異なってくる。
形状もフラット、段付き、L字など様々だ。
メーカー純正が調達できればいいのだが。
あとはガラスが水平に入らないと大変だ。
パッキンが劣化しているとなりやすいのだろうか?
この問題(ベゼルリンクと文字盤インデックスのずれ)はどういう風にクリアされていますか?
なにかコツがあれば教えてください。微妙にベゼルリンクが動いてしまうんです。
ベゼルリンクって、ガラスと文字板の間の秒マーカーが印刷してあるリングでしょうか?
ケースに嵌め合いがありませんか?上手く止まらないなまた、私なら爪楊枝の先に接着剤つけてほんの少し塗布するかもしれないです。