2016年06月24日

オレたちのキングセイコー


流れ的には前回のローレルの続き
搭載機械の4Sについてのぐだぐだ話です。

セイコーはクオーツ腕時計を1969年に発表してから
その普及とともに腕時計を高級品から量産品へと変えてしまい
セイコー自身も機械式時計の生産を一度やめている。
一部の輸出用5などを除いてらしいが。
そして1990年代に入ってセイコー機械式時計の
再開の旗印になった際のムーブメントが4Sシリーズだ。
かつてのキングセイコーSPロードマチックSPに搭載されていた
第二精工舎製の52系の機械がベースになっている。
52系の機械はセイコーの旧機械式時代の終盤に
開発された小型・薄型の自動巻きムーブ。
その4Sに現行で対抗ムーブとなるのは6Rだろうか。

という事で52≒4Sのため出自は良好。
「機械の中身」はともかく、少なくともイメージにおいては
(5上がりの)現行6Rとは比較にならないだろう。
ちなみにこの4Sの中古販売の売り文句でよく聞く枕詞が
「人気の」とか「幻の」・・・
でも廉価〜高価格帯まで色々出していてそんなことはない。
ディスコンなので、基本中古流通から手に入れるしかないだけ。

さて4Sの先祖は第二の52系だけど
キングセイコーの最終形に搭載されたCAL.5256Aで
機械径25.60o×厚さ4.20oだった。
ちなみにこの対抗となっていたであろう諏訪の自動巻き56系は
56グランドセイコーに搭載されたCAL.5646Aで
機械径25.60o×厚さ4.50oだった。
どちらも手巻き付、切り替え車式自動巻きで28800振動、デイデイト。
ちなみにETAの代表的な自動巻き2892A2は
機械径25.60o×厚さ3.60o
手巻き付の自動巻きで28800振動、デイト。
しかし、ウラブタ開けてローレル搭載CAL.4S28(手巻き)を見ても
手巻き専用の3/4受けのせいで「お久しぶり」と言った感じはない。

ロードマチックキングセイコーなどの
現在の流通量を見てもわかるとおり
70年ごろ、小型薄型自動巻きで腕時計マーケットを
席巻していたのは諏訪の56系
個人的には第二は何としてでも諏訪の56系より薄型を
実現して締め括ろうとしていたように思う。
漠然とだけど「オレたちのキングの方がすごいんだ」的な?
ただ、当時の小型薄型も今となっては特段のサイズにおいて
アドバンテージはなく、4Sを復活させた90年代においても同じはずだ。
52系は56系を超える薄型自動巻きを目指して
精度に直結するテンワさえも小さくする代わりに
(ウラブタ開けて見てわかるけど明らかに小径:56比)
8振動ハイビートとレギュレーター周りを充実させることで
精度維持をしつつ薄型を実現したんじゃなかろうか。
機械の構成部品数も56系より3割増だったはずだし
組み立て・調整も含めればコストのかかる≒高級?
ムーブと言えるのは間違いないのではないか。
しかも、最終のCAL.5216・5256は日付変更不可の時間帯をなくしている。
これは同じ52系前モデルCAL.5206・5246系統の改良と言うだけでなく
仮想敵56系の弱点である日付変更機能の破損に対しての改良ではないか?
まー当時56系の弱点が弱点として認識されていたかはよくわからないが。
そして小型薄型自動巻き競争?で56系を打ち破った。
第二精工舎らしいチャレンジングなムーブメントだ。

そんな52系を先祖にもつ4Sだけど
前述のとおり4Sの方が現行6Rに比べてイメージが圧倒的に良い
1.4Sはクレドールや復刻キングセイコーにも搭載された
2.かつての52系をベースにしている
 (52系は第二精工舎の実質ナンバー1、2にのみ搭載の高級機)
3.52系、4Sともに公認クロノメーターをパスした実績がある
4.デフォルトで8振動ハイビート
これが4Sの大きな特徴ではないかな?
機械式時計において歴史やイメージってのはものすごく重要だ。
52系で締めくくった際の魂を受け継いでいると思えばなおさら。

で、その4Sなんだけど、立ち位置は今の6Rとやはり同じだと思う。
低額〜中高級までグレード分けして付加機能があったりだし
平品のメーカー公表の日差 +25秒から−15秒も同じだし
機械の装飾がほとんどないのも同じだし。
でも、4Sに特別な思い入れがない限り
6Rの現行買う方がいいんでないの?と思う。
ローレルみたいなのは今はないから過去の物を買うしかないけど。
まー私は56系の方が好きと言う取り留めもないオチで今回は失礼。


posted by たいぞう at 15:36 | Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月20日

最後の寄り道SEIKO LAUREL


無節操に買い捲る事を時計趣味勘違いしてきたけど
出口を意識してから購入した時計はこれが初めて。
そして寄り道としては最後になる。と思う。

セイコーローレル 4S28-5010 LJAK600

LAUREL (1).JPG














シルバー925ケース×18KPGベゼル。
ジェランチャ製無垢ブレスを当てあがって
流行りのフランク三浦風。

LAUREL (4).JPG










LAUREL (3).JPG




セイコーの隠れコレクターズアイテム
90年代のCAL.4S メカニカルシリーズ「ローレル」
ロゴを見てわかるとおり、LAURELSEIKOよりも序列が上。
あとは、初期クレドールのロゴがSEIKO上に来ていただけで
GSでさえSEIKOの上には来ない。

正直、この時期のローレルはコダワリまくっている。
販売当時の定価は75,000円。
CAL.4S28搭載(8振動ハイビートで手巻き専用)。
巻き心地は軽く、ごく僅かにチキチキとクリック感が伝わる。
ジョリジョリとした52系の巻き心地が全く感じられない。
4Sはかつての第二精工舎52系がベースのムーブ)
ケースのサイズ感もデカアツが流行る前の36o径を基本に
作られていて私好みだ。
そのケースは925銀無垢製でベゼルは18赤金製。
スモールセコンドの3針で、ノンデイト。
尾錠も銀製で青針、ギョウシェの文字板・・・
この時計からは国産では全く感じられないと思っていた
温かみや妙な色気のようなものを感じる。
その上、耐久性・防水・精度などハード面は安心の国産セイコー製だ。
銀無垢製なので使っていれば表面がくすんでくる。
くすんできたら、軽く磨いてやる。
ヲタク向けの時計だ・・・
・・・私はこういった時計が欲しかったのだ。








ベゼルの立ち上がり、厚みは中々ボリューム感がある。
LAUREL (2).JPG






このベゼルは前述のとおり18KPG無垢。
申し訳程度ではなくしっかりと存在感を示してくれる。
これだけでメンズの結婚指輪が2つできそうなぐらい。
この方向性の時計だけど
クレドールは少し前に似た時計を出していたが
少し路線が違うし、GSじゃかすりもしない。
今後セイコーこういった時計を出すことはないだろう。(と思う)

トノーとか四角形の弱点はメーカーメンテ不可の場合の
交換用のガラス・パッキンだと思うけど
裏蓋パッキンは汎用オーリングが流用できる。
ガラス面は接着で、あとはガラスそのものだけど
これは3Dプリンタで行けちゃうのではないかと思って楽観している。

本機は、セイコーのオーバーホール・ガラス交換に出している。
20年物なのによく替えガラスがあったものだ。
噂によるとセイコーOHはあまり評判良くないみたいだったので
若干構えていたが、問題なく2週間程度で上がってきた。
暫く使用しているが、手落ちなどは感じられない。
やはりメーカーメンテは気持ちがいい。

トノー型の時計は初めてだけどこれは
形と雰囲気がマッチしててすばらしい。
色々遠回りしてきたけれど最初からこれと
ロイヤルオリエント、DAKSを買って
あとは現行の普段使い用を1本買って
それで済む話のような気がする。
非常に満足度の高い逸品。

posted by たいぞう at 23:13 | Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月12日

上がりの時計


最近私の中で時計に対する気持ちが変わってきている。
よく言われる「上がり」に向かっていると思う。
ただし、パテック買ってこれ以上ないから上がりとかじゃない。

私の中で上がりと言う状態が明確に見えてきた。
一般に言われていることとは少し違うかもしれない。
これまで漠然と、満足できる一本を手に入れることができれば
それ以上はない物だと思っていた。
しかし、ご存知のように時計といっても様々な個性の物がある。
ダイバーにはダイバーのドレスにはドレスのカタチがあるし
性能も違う。安価で気兼ねなく使う目的の物もある。
一本で全てを満たすことはできないから
自分が求める個性の時計を何本かで満たしていって
最終的に手に入れていない(欲しい)個性の時計が
上がりの時計なのだと考えている。
パズルの最後のピース嵌めるようなものだろうか?

ダイバーなら14060mがあるので他には興味がない
クロノグラフ以上の複雑系には元々興味がない
手巻き3針はオメガCAL.600や銀無垢ロイオリがある。
44の重厚さも捨てがたいが、古代技術の結晶45-7000は
外装もサイコ―にカッコいい。
10振動つながりで61GSも持っている。
恐ろしいくらいの万能っぷりを誇るノンデイトの56KS。
現行しか知らない人が見たら驚くのではと思われる
セイコーの公認クロノメーター56KS。
4S系の先祖、亀戸の5256KSSPなんてのもある。
ジェンタデザインのコンステクロノCAL.564もすばらしい。
まーほとんど安物だけど。

ところで私の求める最後ピースとは?
それは明確にイメージできている。

今後は今までの様に節操なく可処分所得(私の場合お小遣い)の
大部分を時計の新規取得に充てることはなくなると思うが
上がっても時計を購入しなくなるわけではないと思うし
時計に興味がなくなるわけでもないと思う。
今まで外(所有していない時計)に向いていた目が
内(所有している時計)に向いていくだけであろう。
上がりとは自分の所有している時計に満足するという事だ。



でも、一般に機械式時計は価格に品質が比例していくもので
それに合わせて目も肥えてくるのが自然なので
求めていくものも高額になって行くのは理解できる。

ただ、世に言う上がりの時計にまつわる話は
高級品を買えば上がれるとミスリードさせた上がり商法的な
ステマではないかとさえ思ってしまう。

高級品を買っても別の高級品が欲しくなる。
で、一般人なら所有している高級時計を売って購入資金に充てる。
とすれば所有していた「個」を満たせなくなる。
永遠に終わりは来ないだろう。
中古時計市場に流動性と、時計屋に利益を与えているだけだ。

以前持っていた時計と同じものを再度購入する。
そしてまた売って、しばらくして同じものを・・・
これは時計あるあるだ。
断言しよう、その時計は自分の欲しい時計だ。
手放さず所有し続けるべきだ。

自分の求める最後の個を手に入れて、所有時計を大事にしようと思う。
まー高い買い物をすればある程度欲が満たされるので
よく言う「上がり」もまったく的外れと言うわけでもないと思うが。

posted by たいぞう at 01:26 | Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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